ブレイクアウトセッションとポスターセッション
SB05Tokyoの学術プログラムは、サステナブル建築に関連した以下の19のユニット・トピックスについて、ブレイクアウトセッション(口頭発表と議論)とポスターセッション(ポスター発表)の形式で行われました。
ブレイクアウトセッションでは、「3つのギャップの橋渡し」という大会コンセプトにもとづいて、各ユニットを担当するコンビナー(Conveners)が応募論文のなかから適切な論文の組合せをえらび、口頭発表していただきました。また、ポスターセッションでも、数多くの論文が発表されました。


SB05Tokyoのブレイクアウトセッションのレポートがご覧になれます

SB05Tokyoには次代を担う学生のみなさんが多く参加しました。
SB05Tokyoが募集した学生レポーターに応募した学生のみなさんが寄稿した、ブレイクアウトセッションのレポートを掲載しています。 こちらでご覧いただけます。

 

《各ユニットの概要》
タイトルをクリックすると、イシューペーパーと論文リスト(英語のみです)がご覧になれます

環境性能

1) 省エネルギーの技術とデザイン

小玉 祐一郎 (日本) / 李 勝馥 (韓国) / 宿谷 昌則 (日本)

建築の使用時の省エネルギーに焦点を絞り、多様化する技術とデザインに関して最前線からの報告を求めたい。(1)建物自体のデザイン、(2)高効率な設備システム技術の開発、そして、(3)それらの統合がどのように可能か? また、エネルギー管理やライフスタイルはどのように配慮されるべきか。それぞれの地域の気候風土・自然環境、社会的歴史的環境のもとでの技術とデザインが問われる。

2) 資源循環

コーラー ニクラウス (ドイツ) / チニ アブドル (米国)

サステナブル建築の主な目的は、天然資源、材料、エネルギー、水、土地ならびに既存建築物を長期にわたって適切に用いていくことにある。そのことを実現する戦略(strategy)を大別すると、インプットに焦点をあてた戦略、建築物ストックに焦点をあてた戦略アウトプットに焦点をあてた戦略があり得る。これらの戦略の実践方法は、それぞれの国独自の開発と都市化のスピードによって著しい差異がある。

3) 室内環境

レビン ハル (米国) / 坊垣 和明 (日本)

環境面からみてサステナブルな建築であるためには、居住者の個々の相違や嗜好を考慮しつつ、環境全体の保全とのバランスのとれた室内環境の質を実現する必要がある。発展途上地域、先進地域それぞれについて、それぞれの地域の物理的、文化的、環境上の特性の違いを配慮して、そこでのさまざまな課題が紹介されるように、このユニットは構成される。ここで取りあげられる議題には、ベンチマーキング、評価システム、革新的な技術及びまわりの一般環境に影響を与えない室内環境の質の向上、などが含まれる。

評価

4) & 5)建築環境評価ツール:現在の役割と将来の役割

コール レイモンド (カナダ) / 伊香賀 俊治 (日本)
ハワード ナイジェル (米国) / ニーベル シルビアンヌ (フランス)

建築物の総合的環境性能評価を目的として、様々なツールが開発されてきた。それらは現在、建築の設計、建設、オペレーションといった様々なプロセス段階で利用されている。しかしながら、それぞれの既存のツールは、もともとは、ある特定の背景や、特定の当事者を想定して、前向きな変化を生み出す役割を担って策定されたものである。このユニットでは、これら建築物の環境評価ツールの現状と将来の役割について検証し議論する。議論の範囲としては、異なる利害者によるツールの利用、異なるツールの比較や、現在の、および顕在化しつつある、環境およびサステナブルに関する問題への対応などが含まれる。

技術

6) 健康な建築/都市

劉 少瑜 (香港) / シラー シルビア (アルゼンチン)

高密度大都市における高層居住は、都市の持続可能性にとっての挑戦的課題である。これらについて新たな基準や評価方法が生まれつつあることから、空間密度や空間形態に関して腰をすえた議論をする必要が生じている。その議論においては、地域特性や気候条件の相違をふまえたうえで、人工環境(built environment)のもつ活力、柔軟性、適応性を高めるための、密度・形態の度合い、及び用途混合のあり方が討論される。このトピックでは、安全かつ生存可能な環境を確立するための健康な建築や都市に関する議論を行う。

7) 次世代技術の枠組み

ロウ ロバート (英国) / リリング ジャック (フランス) / ブルドー リュク (フランス)

気候変動への対応の必要性、新エネルギー技術を開発し普及していく必要性、グローバリゼーションの影響、及びIT革命などによって、今後50年間の人工環境(built environment)に関わる技術の基盤は変容していくであろう。このユニットでは、来るべき次世代技術についてや、その次世代技術と在来技術や社会的背景との関係、そして次世代技術を戦略的に支援する枠組みについて議論する。

8) MOT (技術のマネジメント)

江 哲銘 (台湾) / 黒石 いずみ (日本)

技術開発においては、地域的限界の克服を目指すと同時に、諸条件による機会の不均等や拘束を考慮しつつ地域の利点や経験を活かすことが重要である。持続可能な地球を実現するためのグリーン・テクノロジー戦略の構築、伝統的技術・手法の復活、地域的価値観の再考、また発展途上国に対する技術移転やサステナブル建築に関する教育面の協力などの実践に関し議論する。

9) サステナブル構造システム

三田 彰 (日本) / ハリス リチャード (英国)

環境、社会、経済のすべての側面でサステナブルな構造システムについて扱う。これまで建物のサステナビリティといえば、経済上の狭い領域のみを意味することが多かった。このユニットでは、そうした狭い視点から脱却し、サステナブル構造システムを、「持続可能性を脅かすリスクを最小化するよう設計、維持される構造」、として定義することを出発点として討議をしたい。

ストック

10) フレキシブル建築

ケンドール スティーブン (米国) / 安藤 正雄 (日本)

このユニットでは、適応可能な建築(adaptable building)及びオープンビルディング(open building)に関する様々なアプローチに焦点を当てた論文を、世界中の専門家から募集し、その発表を行う。ここでは、理論面について考察するとともに、ケーススタディを検証し、適応可能な建築及びオープンビルディングの設計、建設、及びそれらに関わる投資や工業化生産についてのベストプラクティスは何であるかを探求する。

11) 既存建築ストックのマネジメント

ティウォニャック ジャン (チェコ共和国) / モファット セバスチャン (カナダ)

既存建築ストックの性能改善に対処することは、持続可能かつ生存可能なコミュニティを実現するために不可欠な戦略であるが、未だ正当な評価を得られていない。このユニットでは、既存建築ストックに関してとり得る対策と、変化をマネジメントするという困難な仕事に焦点を当てる。特に、あり得べき影響の評価手法、好結果をもたらす政策やプログラムの特徴、動機付けの役割について議論する。

地域・都市分野

12) 都市環境システム

プラカシュ サンジャイ (インド) / 下田 吉之 (日本)

都市は工業製品およびサービスを供給する一方で、土地や水、エネルギーの不足、環境汚染やコミュニティの崩壊等の問題を引き起こしている。この改善のためには、従来の計画、投資や全体戦略を、生態系や人間的価値重視の方向に転換する必要がある。本ユニットでは水・廃棄物・エネルギー・交通・インフラ等都市環境システムの持続可能性に関する論文を募集する。

13) 持続可能な都市再生

浅見 泰司 (日本) / ハーゲントブラー マルグリット (スイス)

このユニットでは、持続可能な都市再生を誘導、促進するための概念定義、事例経験、研究考察を中心に議論する。持続可能な都市再生に通じる理論的・概念的あるいは実証的に複雑な都市活動のつながりや動きに焦点をあてた研究や政策論文を募集する。

14) 人口急増都市/急激な都市化

プレシス クリスナ (南アフリカ) / シャ カイシュン (中国)

このユニットでは、アフリカ、アジア、ラテンアメリカの人口が急増している都市における問題の解決策、及び開発が進展した国々(developed world)が辿った経験から得られた教訓の有効性について議論する。議論を始めるに当たり、コンビナーから低所得国における急速な都市化に関わる幾つかの主要な課題の概要を問題提起論文(イシューペーパー)に示す。

当事者の役割

15) 契約発注方式

ボスウェル ピーター (スイス) / ウォーカー ローナ (英国)

建築物の所有者やユーザーは、サステナブル建築の実現にあたりCO2や廃棄物の排出削減だけでなく、契約、モニタリング、およびリスクコミュニケーションといったフィードバックシステムを戦略的に構築することが重要である。このような認識に基づき、ここでは契約管理システムの開発及びその実践例に焦点を当てて議論を行う。

16) 建築への産業エコロジーの適用

キベルト チャールズ (米国) / シュルツマン フランク (ドイツ)

建設活動が真の意味で持続可能もしくは「グリーン」となるためには、持続可能な建設(sustainable construction)のコンセプトが、生態系と建築との統合を進めるための、多少の条件変化ではゆるがない実践方法の確立へと進化・昇華していかなければならない。このユニットでは、過去15年間にわたり生態学の科学的原則を産業システムに対して適用する試みの方法論的支柱として機能してきた、産業エコロジー(IE:industrial ecology)という考え方を、持続可能な建設(sustainable construction)に適用することについて議論する。

17) 当事者間のパートナーシップ

岩村 和夫 (日本) / バーケランド ジャニス (オーストラリア)

建築環境のサステナビリティは、デザイン・プロセスに沿って展開する異なる当事者間の統合的な共同作業に依拠する。近年の事後検証によって、プロジェクトの開発者、設計者、行政、地域社会等の事前のパートナーシップが、エネルギー効率やメンテナンスの面でも持続可能な施設の利用・運用に大きく資することが明らかになってきた。本トピックでは、利害の異なる当事者間のギャップを埋め、より良いパートナーシップを築くためにはどうすればよいのか、世界の事例をレヴューしながら語り合いたい。

18) 政策デザイン

ハリントン フィル (オーストラリア) / 淡野 博久 (フランス)

政府は、人工環境(built environment)を持続可能なものとしていくうえで有効に機能する政策のデザインをするという困難な課題に直面するとともに、経済コストの縮減と建築の供給者・ユーザー双方のニーズに応えるという困難な課題にも向き合っている。このユニットでは、このような議論に対し示唆を与えうる幾つかの可能性のある解決策を概観することから議論を出発する。

倫理

19) 環境倫理と建築

野城 智也 (日本) / ハリディ サンディ (英国)

環境倫理は、サステナブル建築を実践するうえでの行動規範をデザインするための理論的基盤を与える。このユニットでは、専門家個々レベルでのあるいは組織レベルでの実際の意志決定と、環境倫理との結びつきを強めていくことに有効に働きうる「道具」を生み出していくための示唆もしくはガイドラインを得ることを目的にする。

包括的アプローチ

20) 包括的アプローチ/実例

ローバス, ロナルド(オランダ) / ゴメス, バネッサ(ブラジル)